サツマイモ (sweet potato)  別名:甘藷
        
サツマイモ栽培記録:2006(平成18)年3月〜11月の自家栽培記録日誌
種芋の芽出しから収穫・保存までを順次記載
ヒルガオ科 根菜類
学名:Ipomoea batatas
米国大陸の熱帯原産、ヨーロッパへはコロンブスによって持ち込まれ、1492年にスペインへ。
スペイン人により1594年に中国へ。日本には1605(慶長11)年琉球に伝わり、鹿児島・薩摩から全国で栽培されるようになり、サツマイモの名が出来た。(以上は来歴)
つる性の多年草、塊根を多く着ける。茎は定根を生じやすく、傷つけば乳状の汁液を出す。葉は互生し、長い柄を有し、黄録色または紅紫色を呈する。
花は腋性の長梗に2〜6個着生し、花冠はロート状でアサガオに似て径は3.5cm〜5.0cmで紅紫色を帯びる。
亜熱帯や熱帯でないと正常な結実はない。

芽の成長
2種類の根が成長
苗の切り口から生えている細い根で吸収根
吸収根は水や肥料を吸い上げる役目。
 もうひとつは葉と茎を結ぶ葉柄の付け根
(節)から生える太い根で不定根といい
塊根(いも)に成長。
伏せた種芋から芽が出て、伸びて5〜6枚の葉が育てば切り取り、本田に定植する。

イモ
地下茎の葉柄のの茎部から1対以上の根を下ろし、一部が肥大して大型の塊根(イモ)となる。塊根の形・大きさ・色は品種により異なる。
13〜15℃の温度で保存、10℃以下の低温になると病害による腐りが出る。

地下茎の葉柄のの茎部から1対以上の根を下ろし、一部が肥大して大型の塊根(イモ)となる。塊根の形・大きさ・色は品種により異なる。(以上は形態)
熱帯性の作物であるから、15℃〜35℃で生育、15℃以下では生育が止まる。地温10℃では枯死する。
土壌の適応性は極めて広いが、排水の良い軽い土壌がよい。
甘藷はクリより甘いという意味で、13里と呼ばれるが、これは「9里4理(クリより)うまい13里」ということから出た。長崎では「八ッチャン」と呼んでいるが、これは9里を少し遠慮して八里半として呼び伝えられた言葉
(以上は性状)
標準原色図鑑「有用植物」より(出版:保育社)

珍しい花
アサガオに似た
アサガオのような花が咲くが、もともと熱帯の植物なので、日照、養分などの条件がそろわないと花は咲かない。

結実した実
日本では結実しない
アサガオのような花が開花して結実して実を作り、種子も取れる。

サツマイモ畑
甘藷畑

以上の記載記事は植物図鑑等から引用した。

これ以降の写真記事は2006(平成18)の自家菜園で栽培した記録である。

ケーブルを張る
温床作り(3/2)
温床の広さ:約1.4m×2.0m=約2.8平方メートル。 40mケーブルを外側は間隔狭く、内側は広く張る。(前面を均一温度に近づけるため)

温床完成
土入れ
一番下に断熱材(籾殻)5cm、その上に床土5cm、その上に農電ケーブル配線、その上に床土15cmを被せて温床完了(3/5)
簡易温床
このような形(簡易温床)の温床作り
温床は1.4m×2.0mに種芋30個を伏せる
種芋伏せ1
気温も15℃と上がり、種芋を伏せる
(種芋は数十年前より自宅で貯蔵して使う)
地温は30度に設定。トンネル内の温度は適宜換気して約20℃前後にたもつ。(3/8)
(発芽後は20〜25℃にする)
種芋伏せ2
土より上の種芋を保温するためクンタン(籾殻を焼いたもの)で覆う
このような「芽出し」方法を50年以上実施して、サツマイモを収穫している。

今年は新しい[芽だし方法(別法)]に初挑戦。

種芋を48℃の湯に40分間浸して病原菌を予防する方法を試みる。
水温を約50℃にしてから、伏せる種芋を浸す。約40分後に温水より種芋を取り出す。その時の水温は34℃と下がっていた。その後、直ぐ温床に伏せる。
温床の中では、地温を約30℃に保ち芽が出るのを待つ(3/12)
種芋一個からは20〜30本の苗が取れる予定である。

発芽1
3/8に伏せて9日目、芽を吹く(3/17)
発芽2
頭の部分数カ所から2〜3mmの芽が伸びる
中央上と下及び頭の部分の赤見を帯びている箇所から新芽を出す。(3/17)
発芽3
2〜2.5cmに伸びる
3/8に伏せて11日目の成長
3/12に伏せた種芋も2mm前後の発芽(7日目)
温床の地温を25℃に設定、トンネル内は約20℃
発芽18日目
3/8に種芋を伏せてから18日目で、10cmに伸びる(3/26日撮影)
発芽18日目アップ
伏せてから18日目の芽の成長アップ(10cm)

発芽14日目アップ
伏せてから23日目の芽の成長(3/31)
(発芽して14日目の成長)
外気温=10℃、温床内気温=15〜20℃、
温床地温=約23℃に設定

発芽18日目
伏せてから27日目の芽の成長(4/4)
(発芽して18日目の成長)
外気温=13℃、温床内気温=15〜20℃、
温床地温=約23℃に設定

葉も緑色が濃くなり成長を続ける

発芽18日目アップ
発芽18日目の個体をアップ撮影(4/4)
外気温度も徐々に上昇して来たが、地温は23℃に設定・維持。

発芽30日目
発芽30日目の様子(4/16)
花冷えで外気温=15度前後、温床内気温=約20℃、地温=22℃に設定維持
蔓も伸びて、約18cmで葉も5〜6枚つく。

発芽47日目
発芽して46日目(5/2)の蔓
外気温も20℃前後と上昇し、蔓も伸びたので畑に植え付ける直前の床
平均外気温が約18℃になり、葉数が6〜7枚になった採苗(蔓)を本田に挿す。
本田は4/30日に起耕し、ポリエチレンの黒マルチで覆う。挿す蔓の間隔25〜30cm,一畝(うね)に55〜60本挿し、10畝・約600本を植える予定。
マルチングにより、土中の水分と軟らかさを保つことができます。
畑は日当たりや水はけのよい、やせ気味の土地が適する。サツマイモは連作が可能で、毎年同じ畑で栽培。
概に60年以上作付け・栽培・貯蔵管理をしている。
植え付け
発芽して46日目(5/2)定植
大きい苗は水平植え、船底植え、小さい苗は斜め植え、垂直植えが原則であるが、小生は「斜め植え」で挿して育てる。
葉は土に埋まらないよう注意
水平植え水平植え
船底植え船底植え
「蔓の挿し方」模式図(図鑑参照)
斜め植え斜め植え
垂直植え垂直植え
畑で成長中
乾燥と除草を兼ねて畑にマルチを敷き、間隔は30〜35cmに挿した甘藷畑
1筋に約60本、10筋で約600本余りを栽培する。('06.6.11)後方は果樹園と竹藪
挿してから16道目
成長しつつある幼苗をアップ
挿してから16日目の成長苗
これからの梅雨で、ドンドン蔓が伸び成長する('06.6.12) 8回目の蔓挿す。
5/2の初挿しから6/14の8回目の蔓挿しで、約600本を挿し(定植)、本年の作業を終える
後は、9月頃には初堀も出来るだろう?
予定では、定植から約120日で収穫可能?

(温床の電源も撤去、自然の地温・気温に)
9/16日に今年の初堀
この土地は、60年以上サツマイモしか栽培せず、収穫後(10月の中旬から4月中旬まで)は休眠地としている。
殆ど自然栽培に等しく、美しく、味はとっても美味しいサツマイモを収穫している。
故に収量は多くない。
皆さんからは味は格別と折り紙付き。
畑地故に夏の天候に左右されやすく、適当な降雨があれば申し分なしの豊作となる。
今年も多くの人に食していただき、喜んで貰っている。
花開花
珍しいサツマイモの花
自宅のイモ畑にて開花('01.10,27)
何らかの異常で数カ所の株に花を着けるが、結実はしなかった。
(十数年に一度ぐらいの割りで開花する)
花開花 花開花
アサガオの小輪とも思える可愛い花?
下には蕾も4個付いている(角度を変えてアップ)

以下の4枚の記録は同じ自宅芋畑で見つけた開花写真
2001年に開花した記憶があるが、それ以来13年ぶりかな?
(2014.7.27の午前 )
hana2014_1
hana2014_2
hana2014_3
hana2014_4 hana2014_5
ここからは2007(H19)年
'07.4.1
種イモを伏せて32日目('07.4.1)
今年も順調に育って、発芽して22日目の撮影。地温及び温床内気温を20℃前後に保持
'07.4.1up
左記写真をアップ
厳冬の防寒・保温のため三重構造のトンネルをし、発芽するまでは中間トンネルと最外側トンネルの間に毛布を被せる。
07.7.16.jpg
今年も豊作?('07.7.16 早朝の6時)
4.5?の畑で10筋、1筋に60本。全体で約600本の蔓を挿し、5月4日より順次挿し6月7日に植え終える
非常に順調に育っているから、今年も大豊作に・・・と願う!
07.7.16up.jpg
朝陽を浴びた畝の一部をアップ撮影
('07.7.16)
  サツマイモの感染病
栽培していた個体が収穫期に突如腐敗
これらの記録写真はこちらへ!

紫カビによる「紫紋羽病(ムラサキモンバ病)と判明する

特に女性に好まれる旬の食材
Content Expressより('08.10.17)
美味しさ・栄養面から来ても焼き芋が最高
昔は籾殻などの灰の中で焼き、かぶりついたものだが今はイモ焼器でつくれる
食材としてのサツマイモ3
クリックして拡大して下さい
ジャガイモ(馬鈴薯)
ジャガイモ(英名: potato 、学名: Solanum tuberosum L. )は、ナス科ナス属の植物。地下茎(塊茎)を食する。
ジャガイモの果実は最初の未熟時は緑色、熟すると少し黄色みをおび、透明感がでてくれば食べらる
果実の結実は気象等の環境や蕾をつくる時期が実の多少に影響しているのかな?
「男爵薯」とか「メークイン」では、通常花が咲いても実がなりません。

種芋はメークインジャガイモ結実1
珍しく馬鈴薯の木に実が('08.6.18)

ジャガイモ結実2
田に栽培した1本の木にジャガイモが出来、その実(幼根)から幼芽が出る
ジャガイモ結実3
茎と葉柄の間に1〜3個の実が、各節の至る箇所に出来ている('08.6.18)
ジャガイモ結実4
上から撮影した実
枝の先端には花は常に咲くが、その花は結実しない
  ジャガイモ結実5
地上部の果実(実or漿果)('08.6.18)
食できそうだが試していない
(一般に芽は有毒と言われている)
ジャガイモ結実6
茎に出来た幼根拡大(中身は馬鈴薯)
ジャガイモ結実7
ポテトマト(2008.6.18)
ミニトマト大の大きさで中身もトマト
ポテトマト1
キタアカリ種の木にミニトマト

ジャガイモもトマトもなす科の植物
ポテトマト2
未だ熟はしていない
ポテトマト3
ポテトマト4
ポテトマト5
未熟果(ジャガイモトマト=ポテトマト)
ポテトマト6
味は酸っぱく、一般の果実の未熟果と同じ
水分は少なく、ジャガイモの匂いが?
ジャガイモ花9
花の色は種(男爵・メークイン・キタアカリetc.)により異る
ジャガイモ花8
以下は比較する意味で「未熟果のミニトマト」写真を記載 (ほぼ同じ大きさの未熟結実果で比較)
ミニトマト1 ミニトマト2
切断面からは果汁が吹き出る
ミニトマト3
みずみずしく酸っぱい
桃太郎1 桃太郎2
未熟の種が多い
要は、ジャガイモトマト(ポテトマト)、ミニトマト、普通のトマト(桃太郎)の3種の未熟果を外観・切断面を比較したが際だった違いはない
強いて異なりを云うなら、ジャガイモトマト(ポテトマト)が僅かに水分が少なく、かすかにジャガイモの匂いが漂う点ぐらい?

親の代からのサツマイモ畑 故、種芋も全て家で保存・管理しての栽培収穫。
出芽→植え付け栽培→収穫→種芋の保存→床作り出芽・・・のサイクル栽培と消費


ヤーコン ( Smallanthus Sonchifolius)  別名:yacon
 
ヤーコン栽培記録2008(平成20)年4月12日〜11月の自家栽培記録日誌
      
塊茎(芽)の定植から塊根(イモ)の収穫・保存までを順次記載
 成長すると草丈は1.5-2mにもなる。
は塊根型の貯蔵根
は品種・系統によってはなかなか咲きませんが、咲けばヒマワリに似た黄色い花を咲かす
塊根はサツマイモの形状のもので食用する。貯蔵栄養素としてデンプンではなくフラクトオリゴ糖を大量に蓄積しており、生で食べるとかすかにポリフェノールに起因する渋みを感じるものの、甘くしゃきしゃきした、ナシの果実に近い食感を持つ。そのため生食もされるが、炒める、煮るなどの加熱調理もされる。
甘みはフラクトオリゴ糖の一部の分解で生じた低分子の糖に起因するため、収穫後1-2週間の保存によって甘みが生じる。
は煎じて一種のハーブティーとしても利用。また葉は、さっと湯がいて一晩水にさらすと苦味は気にならなくなり、山菜のお浸しのようなり味噌漬・醤油漬などにしても美味しく食べられる。
魂芽
塊茎を幾つかに分けて植え付ける('08.4.12)
塊茎(芽になる塊)はサツマイモのように肥大するが、栄養生殖器官としては機能せず、これだけ植えても芽(不定芽)は出ない。同じキク科のダリアと同様、塊根を生じる地下茎の芽(鱗片葉の腋芽)とセットになって、これに発芽時の栄養分を供給する働きを持つ。
ヤーコン(yacon)
南米アンデス山脈地方原産のキク科の多年生草本・根菜類でダリアやキクイモと同じ仲間 (サツマイモはヒルガオ科、ジャガイモはナス科)
日本に最初に導入されたのは、1970年代に南米から朝鮮民主主義人民共和国を経由したものであったが定着しなかった。その後、1985年にニュージーランドで栽培されていたものが1万株輸入され、現在日本で栽培されているものはこれから増殖されたものである
ヤーコン料理... ヤーコンの粕漬け ,ヤーコンのコンポート ,ヤーコンパンマンダリンケーキ ,スイートロール .ヤーコンのジャム ,ヤーコンの草餅 ,ケーキ ,ゼリー、 ヤーコン茶.ヤーコンみかんジュースetc.多種多様で飲食されている。
ヤーコン1
圃場に植えてから1ヶ月で発芽('08.5.11)
ヤーコン2
頭上よりSuperMacro撮影('08.5.11)
ヤーコン3
ヤーコンの成長続く('08.5.21)
横より撮影
ヤーコン4
頭上より撮影('08.5.21)
成長した葉の大きさは下記に別記

ヤーコン5
ドンドン成長('08.5.29)
草丈も葉も大きくなる。雨上がり葉に水滴が・・

ヤーコン6
ヤーコン7拡大して見て下さい ヤーコン8
グングン成長('08.6.17)
ヤーコン9
芋の収穫も間近に控えた10月下旬の個体の新芽('08.10.18)
ヤーコン10
咲き終えた花('08.10.18)
ヤーコン11 ヤーコン12
下からは新しい若い花芽が成長('08.10.18)
ヤーコン13
スーパーマクロ撮影 花茎12mm
ヤーコン14
花が重く垂れ下がる
ヤーコン15
少し開花('08.10.20)
ヤーコン16
開花状態のマクロ撮影少し開花('08.10.20)
ヤーコン17
若い花芽も順調に大きく生育('08.10.20)
ヤーコン18
一日でここまで開花進む('08.10.21)
ヤーコン19
同時刻に連日状態を撮影
('08.10.22)
ヤーコン20
時間変化に伴う開花状態を視ることが出来る
('08.10.22)
ヤーコン21
花と同様に幼い蕾(花芽)も大きく
('08.10.22)
ヤーコン22
開花中の花&既に咲き終えた花の裏面('08.10.22)
ヤーコン23
時間と共に中心部に向かって小花が開花
ヤーコン24
ヤーコン25
花の中心部をスーパーマクロ撮影('08.10.24)
ヤーコン26
葉を煎じて一種のハーブティー(ヤーコン茶)として、さっと湯がいて一晩水にさらすと苦味は気にならなく山菜のお浸しのように味噌漬・醤油漬などにしても珍味

yacon27
10/15から咲き始めた花もほぼ満開('08.10.25)
満開と同時に花茎が折れ曲がり花自体が下向きに、新しい蕾も次第に大きく

yacon28
先写真の頭部を拡大('08.10.25)
中心部まで小花が咲いていることが判る

yacon29
開花を終え花弁は中に閉じ始める('08.10.26)

yacon30
開花を終え閉じ始める('08.10.26)
正面よりスーパーマクロ撮影
yacon31拡大して確認下さい
横よりUP('08.10.26)
yacon32
別枝の花芽を横より視る('08.10.26)
yacon33
頭上より視た新しい蕾('08.10.26)
ヤーコン34
4日間でここまで成長('08.10.30)

ヤーコン35
左記写真の蕾が開花始まる('08.11.3)

ヤーコン36
開花始めた蕾の横に成長中の蕾2個つけている('08.11.3)
ヤーコン・芋
収穫したヤーコン芋=塊根('08.11.22)
食用としての珍味の芋部分
食用としての葉・茎・芋は種々のレシピで楽しく試食できる。
ヤーコン・芽
収穫したヤーコン芽=塊茎('08.11.22)
来春に芽を出しヤーコンとして成長する種株
初霜以来3日間の霜で茎・葉・花は枯れる(11/12)
塊根(食用芋)と塊茎(芽になる芋=生殖芋)とに分けて、籾殻で覆い土を被せて地中に貯蔵する('08.11.28)
ダンボールや発泡スチロール箱に入れ一定温度で保管することも可。
元肥・追肥には完熟堆肥や化成肥料を使うが、窒素肥料は少なくしリン酸やカリ肥料を多用。ヤーコン芋は急に肥大するため「ひび割れ」が大きくなり外観が今一つになるから注意する。高畝にして排水を良くする一方、夏期の乾燥時には水掛も忘れずに。
ひび割れ芋
ひび割れ芋


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